北前船の歴史を背景とした小樽と加賀のl交流は、令和元年に加賀市の児童30名が小樽市を訪れたことで始められましたが。その後、コロナ禍により交流事業は休止していました。しかしながら、昨今の状況を鑑みて、令和5年8月4日、小樽の児童23名と引率者11名の計34名が加賀市を訪問しました。
加賀市に到着して、先ず最初に北前船のふる里「橋立町」の町並みと北前船の里資料館を見学しました。
北前船主久保彦兵衛の館「蘇梁館」(現在、加賀市大聖寺に移築)で、加賀市内の子どもたちが、お茶会でおもてなしをしました。
8月4日、夜はホテルアローレにて、歓迎のレセプションパーテイーが開かれました。パーティは、加賀市の西本兄弟による津軽三味線のアトラクションで始まりました。そのあと、加賀商工会議所会頭東野哲郎様や加賀市議会議長稲垣静也様などが挨拶や両市、両会議所による記念品の交換がおこなわれました。
レセプションパーテイーでは、「小樽の魅力」「加賀の魅力」などについて、それぞれの児童代表が発表しました。また、4年前に子ども洋上セミナーに参加し、小樽を旅した開田姉妹による「楽しかった小樽」の発表もおこなわれました。
レセプションパーテイーの最後に、全員で記念写真を撮りました。
令和元年7月25日(木)~27日(土)
加賀と小樽は、江戸時代から明治時代にかけて、北前船の交易を通じて、お互いに発展してきた歴史があります。こうした歴史を今一度見つめ直そうと、全国北前船研究会が中心となって、加賀市内の子どもたちを船に乗せて、船の中で「北前船」のことを学びながら北海道小樽までを旅するセミナーを実施しました。
平成31年3月27日、加賀商工会議所の新家会頭を会長とする「北前船子ども洋上セミナー加賀実行委員会」の第1回目の会議が加賀商工会議所にて開催されました。実行委員会には、加賀市や加賀市教育委員会、加賀商工会議所、山中商工会、ロータリークラブ、ライオンズクラブなど、市内24団体が参加しました。4月5日から、チラシを市内全小学校に配布し、参加児童28名を募集しました。
予想を超える186名もの応募者があったことで、4月30日、かが交流プラザさくらにて、公開抽選会を実施しました。抽選会場には、およそ70名近くの親子が集まり当落を見守りました。抽選の結果、30名の参加児童を決定しました。
6月30日、参加する児童30人を対象とした「北前船事前学習会」が北前船の里資料館で開催されました。子ども達はみな熱心に、解説ボランティア員の呉藤満次さんと平井徳司さんのお話を聞いていました。
7月18日には、小樽のお祭り会場で披露する「小樽潮音頭」の練習をしました。また、出発3日前の7月22日には各班のリーダーやサブリーダーなど児童10名とその保護者、薮下団長、宮本副団長、見附事務局長の3名が市役所を訪れ、加賀市長に出発の挨拶をしました。このとき、加賀市長からは小樽市長に渡してほしいと、親書を預かりました。
新潟までのおよそ5時間、バスの中で北前船の学習とクイズやゲームをしました。最初に全員、自己紹介をしたあと、北前船の学習会がおこないました。学習会は、川本良一さんによる「北前船の構造と積み荷」をテーマとした講義と平井徳司さんによる「クイズ北前船10問」の2本がおこなわれました。そのあとは、保護者の方々の指導により「2文字しりとり」や「名前出しゲーム」などを行い、車内は盛り上がりました。
新潟港からは、新日本海フェリーのあざれあ号に乗船しました。600名ものお客さんが乗ることができる大型船で、加賀の子ども達は5階のツーリストAの団体専用室の部屋をいただきました。
フェリーに乗船して、まもなく昼食。昼食のメニューは「冷やしうどん定食」でした。
午後2時、フェリーの中での講義がスタート。船内でのセミナーは、4つの班に分かれておこなわれました。最初は、「船乗りの階層と役割」をテーマに田中勲さんが、続いて「海難のお話」をテーマに呉藤満次さんが講師となって、子どもたちにお話をしました。
船内での北前船の学習の最後は、見附事務局長の司会のもとで、これまで学んだことをテーマにグループ討議をしました。「北前船はなぜひと航海、1年ちかくもかかったのか」「北前船はどうしてそんなに儲かったのか」「北前船はなぜ衰退したのか」などといった各テーマで意見交換し、各班の代表が意見をまとめて発表しました。このあと、保護者の方々に指導していただき、「一人当てゲーム」や「伝言ゲーム」「ビンゴゲーム」など、いくつかのゲームをして楽しい時間を過ごしました。
小樽に到着した7月26日、午前10時、小樽総合博物館の研修室にて、歓迎式を開いていただきました。来賓には小樽市長や小樽商工会議所会頭、小樽観光協会会長、小樽市議会議長、小樽商科大学学長など、そうそうたる方々が出席されていました。式の中で、加賀市長の親書を日宇晴雅君(山代小6年)と西倶麗羽さん(同6年)が小樽市長に渡しました。
記念品を竹下和義君(分校小6年)と津川結香さん(南郷小6年)が小樽市長に渡しました。また、小樽商工会議所会頭と観光協会長のお二人への記念品は、逢坂空河君(錦城小5年)と中西生さん(河南小6年)の二人が渡しました。
小樽総合博物館のレストラン「トレノ」前にて記念撮影。 祝津海岸の展望台では、小樽商科大学の高野宏康先生に解説していただきました。
昼食は、ニシン番屋の建物で「祝津たなげ会」の皆さんに小樽の鰊を中心とした郷土料理をふるまっていただきました。ほたて汁や昆布巻、鰊の蒲焼と数の子どんぶりなど、小樽ならではの珍しい料理が満載でした。
天狗山の山頂から小樽市内を一望しました。また、小樽市総合博物館では蒸気機関車に乗ったり、珍しい転車台を使って向きを変える作業を見学しました。
小樽総合博物館の運河館では、博物館の館長さんの案内で、小樽の発展と北前船の関係を、たくさんの資料や写真を見ながら学びました。
小樽オルゴール堂では、オルゴールの製作体験をするとともに、小樽の小学生14名も加わって、土屋周三先生らの指導で「ぼくの町、わたしの町自慢」をシートに書き込み、小樽の町と、加賀の町の特色やすばらしいところなどを、班別で順番に発表しました。
小樽最大の祭り「潮まつり」のオープニングはあいにくの雨模様でしたが、会場全体に響き渡る司会者の声で、加賀の訪問団が紹介されました。ステージ上では薮下団長、上出諒聖君(山代小6年)、田中紺琴さん(同6年)の3人が挨拶をしました。このあと、練習してきた「潮音頭」をステージ上を踊りながら通り抜けしました。
最終日の7月27日、北海道大学の中谷博士の資料室を見学しました。世界で最初に人工雪の結晶をつくることに成功した雪博士、中谷宇吉郎は加賀市片山津温泉の出身です。当日は、この展示コーナーをお世話された山崎敏晴さん(江別市)に案内していただきました。
「人工雪誕生の地」の碑の前で記念写真を撮りました。
午後3時55分、およそ40分遅れで、新千歳空港を出発し、小松空港に着いたのは夕方5時頃となりました。3日間は大人でも大変な強行スケジュールでしたが、子どもたちは全員元気で加賀へ帰ってきました。関係者の皆様、お疲れ様でした。
全国北前船研究会事務局 石川県加賀市山代温泉北部1丁目222 見附裕史 ℡0761-77-2002
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