第31回 全国北前船セミナーは、平成29年8月27日から28日の2日間をかけて、加賀市のセミナーハウスあいりすにて開催されました。北は北海道や青森県から、南は長崎県や山口県など、全国各地から約80名の参加がありました。

開会式は、午後1時から。薮下昇一会長の挨拶で始まりました。

宮元陸加賀市長が歓迎の挨拶をしました。市長は、北前船が「日本遺産」に認定された要因の一つが、全国北前船セミナーが30年余り続けてこられた実績であると述べられました。

渡辺一幸氏による記念講演

演題は「北陸産古瓦にたどる北前船の風景」

 

渡辺氏は、北海道各地に残る瓦葺き建物の瓦の多くが、北陸産であることを突き止め、これらの瓦が商品として移出された実態について述べられました。

レポート発表① 川本良一氏「北前船が運んだ能登の黒瓦」

レポート発表② 九千房英之氏「越前赤瓦について」

レポート発表③ 阿部志朗氏「石見地方の赤瓦」

初日の夜、夕食後に行なわれた「情報交換会」

 

瓦はバラスト目的か商品なのか、船内における重量物の積み方、鰊粕の匂いの問題など、さまざまな疑問点を話題にして熱い議論が交わされました。

レポート発表④ 堀井美里氏「加賀市橋立町増田家文書について」

レポート発表⑤ 平野俊幸氏「越前梶浦南家文書について」

シンポジュウム「瓦の流通と北前船」

パネラー

渡辺一幸氏、阿部志朗氏、九千房英之氏、中原義史氏、川本良一氏、薮下昇一氏の6人

進行役 見附裕史

 

黒瓦と赤瓦の違い、赤瓦の生産地の分布と技術伝播について、瓦の積み荷記録などについて、各パネラーや会場の参加者から多くの発言がありました。

2日目(28日)の午後から翌日29日の午前中にかけて現地見学会が行われました。今年は加賀市橋立町、那谷寺(小松市)、三国町(福井県坂井市)の3カ所を訪れました。

 

橋立の北前船の里資料館では、名物ガイド後藤満次さんによる楽しい解説で館内を見学しました。